【第11回】「倉田清十郎という男:其の伍」

(更新日:2013.2.12)
先日、WING WORKS初イベントライブが無事に終了しました。
いやー熱かった!!いつも見慣れたはずのエリアのステージも、センターからとなると新鮮な光景でした。
駆けつけてくれたみんな、本当にありがとう。超超超心強かった。
初めて観たであろう子、WWのこと何も知らないであろう子が、少しずつステージに意識を向けてくれだして、最後には一緒に熱くなってくれる姿も最高でした。

ライブが終わってステージを降りた瞬間、もう次のライブがやりたくなった。
次は22日の池袋EDGE。待ちきれねーよ。

てな訳で、舞台「魔がさす」についての記録もここに来て大詰めにさしかかって参りました。
初舞台なりに色々なことを学び、孤高の男「倉田清十郎」になるための日々を重ね、いよいよ本番の前日から劇場に入りしました。

演劇の世界と音楽の世界で圧倒的に違う事でまず驚いたのは、本番の舞台の設営をすべて出演者も含めた劇団員全員で行うということ。

最初に劇場に入った時には舞台の上はがらんどうで、何も無いいわゆる「素舞台」。
ここに美術スタッフさんが中心になって今日までに制作してきた舞台セットを自分たちで組み立てるし、照明機材のセッティングも、楽屋内の設営も、すべてが自分たち。

朝早くから劇場に入って資材や工具を運び入れ、舞台監督の指示に従って役割分担をして、何も無い場所に「魔がさす」の世界を劇団全員の力で生み出してゆく作業。
俺も高校の文化祭ぶりにノコギリだの金槌だのを使って共演の役者陣やスタッフ陣と共に汗を流しました。

面白かったのは、資材や大道具の寸法を測るのにメートルやセンチではなく「寸」「尺」を単位に使っていたこと。当然、作業に使う定規もすべて寸尺基準のものでした。
普段まったく使わないものなだけに俺は感覚が全く掴めなくて大変だったけど、皆さん当たり前の事として普通に作業してる。
こんな場面からも脈々と受け継がれる「演劇」という世界の歴史の深さを感じる事が出来ました。

バンドの世界って本当にありがたいことだなって同時に思って。
この作業って普段のライブ会場に置き換えたら、ライブハウスやホールのステージ、音響、照明のセッティングや当日の制作回りをすべて自分たちでやってるのと同じってこと。
だからこそ普段は会場のスタッフさんやイベンターさんがしてくれている仕事の大きさと重みを感じたし、自分たちは音楽そのものに専念する環境にいさせてもらえてるんだなって改めて再確認した貴重な機会だった。



稽古の時からあったこの舞台セットの模型が、



みんなの力で、(実際には何十人もの人でやってます。)



こんな風に現実のものになる。

劇場にセットが完成した時はまだ本番もはじまってないのに本当に感動でした。
制作のスタッフさんいわく、この瞬間はいつも感無量だそうです。
この日のためにずっと稽古を重ねてきた自分たちが演じる世界を実際に目の前にして、「いよいよはじまる。」という実感をひしひしと感じてた。

ついに、明日は本番。

RYO:SUKE