天野攸紀【第13回】

(更新日:2014.08.19)
こんにちは。

天野攸紀です。

13週続いた僕の回もついに最終。

完走する自信など微塵も無いままお受けした企画ですが、頑張ればなんとかなるものですね。

これを言ってしまっては元も子もないのだけれど、僕には毎週綴るほどのことなんて案外無かったのだなと。

しかし、改めてそう思う事で普段気にも留めていなかった出来事を少しだけ掘り下げて考えてみたり。

そういった自身の変化を知る事が出来ました。

習慣化された日々に対し、思想思考を練り込んだ文書を作成する事は僕にとって非常に難しく、言葉を使い一つの大きな絵を描いていくかの様な。

そういった不思議な感覚を楽しんでいたのも事実です。

終始覚束ない筆でしたけどね。

真面目一辺倒では味気ないので、阿呆な事を綴ってみたり。

そんな拙い物でしたが、毎週楽しみにしてくれる人が少しでも居てくれたのであらば、お受けして良かったなと。

今素直にそう思います。

皆さん、お付き合いいただきありがとうございました。



先日、渋谷のとあるライブバーで初のソロワンマンライブを行いました。

その店舗に限らず、薄暗く時間さえも忘れてしまうような場所が大好きなものですから。

おかげさまで満員となり、とても楽しい時間を共に過ごす事が出来ました。

足を運んでくださった皆さんに心からの感謝と敬意を。

今回のものは「ワンマン」という形態にこだわっていたわけではなく、タイミングや流れがそうさせたと言いますか。

いつもの「ライブをしたい」欲求の延長線上に舞い込んで来た話をお受けさせていただいた様な形でした。

ステージもほぼ無いに等しく、派手な照明などもちろん無い。

敢えてピンスポットとキャンドルのみの中で演奏した17曲。

演出とは物事をより良く魅せるための装飾。

それらを削ぎ落とした中でしか見られない物があるのだと思います。

演る側も見る側も。

そこに残る物は本質。

ありのままの姿です。

何処かで同じ様な話をした事がありますが、僕には世に対して伝えたい事も訴えたい事もありません。

歌う事に特別な意味などありません。

限りなく独り言に近い自己満足でしか無いのだと感じています。

音楽で世を変えたいなど少しも思っていませんし、聴いてくれる人が居なければとうに捨てていた物かもしれません。

ですが、この度のワンマンから少しだけ。

ほんの少しだけ意味を見出していけたら、と思う様になりました。

自分自身の「生」に対して。

自身の「生」であらば主張もある。

ステージに立ち、歌い、演奏した事が証の一つとして記憶に残ればと。

そう思うのです。

僕は愛する両親から身体と命と愛情を授かりました。

それを以てして出来うる事。

生きてこそ叶う事。

何処か遠くには、この僕が皆さんの鏡でありたいという想いが存在するのかもしれない。

何も伝わらなくとも、何も感じなくとも、僕がそこに居た証を残せたらなと。

そう思うのです。

今まで同様、僕らは出会いと別れを繰り返していく事でしょう。

流転する記憶の中に花を。

たった一輪でも。

どれほど不細工でも。

忘れられない花を咲かせたいと思うのです。

僕らの人生はこれからですね。

楽しみです。



さて、最終回という事は。

次のコラムニストをご紹介せねばなりませんね。

お継ぎの方は・・・

riceのhiroくんです。

hiroくんとは共通の友人である高井淳くんの紹介で知り合ったのですが、とても優しいオーラを纏った人だなと。

それが第一印象でした。

ドラムはもちろん、僕はその人となりがとても好きで、神塩対応、神人見知りのこの僕が自ら話しかけたほど。

自分で言うのも何ですが、これは非常に珍しいことで。

僕にとってとても稀な人なのです。

というわけで、僕も彼のコラムをとても楽しみにしています。



さあ、お別れの時がやって参りました。

改めまして、読了してくださった皆さん。

誠にありがとうございました。

心から御礼申し上げます。

これからも共に楽しい時間を重ねていきましょう。

ではまた何処かで。