【第1回】Guitarと食事

(更新日:2013.08.27)
この度、『AYABIE』のベーシスト、インテツさんからバトンを頂いた、
ギタリストの広末慧(Kei Hirosue)です。
彗星の彗と良く間違われますが、
下に心があります。どうかこの連載にお付き合いください。



食事をする際、
大半の人が『人と一緒に食べる方が美味しい』と感じているはずだ。
俺もその一人だ。どんなご馳走でも、孤独では味気がない。
人間は生命の維持、そして活動に必要な栄養を摂取するために、食事をする。
単なる栄養の補給から、味を楽しみ、
その時間を楽しめるように発展していったのは、
人間の心の豊かさの表れだと思う。

『同じ釜の飯を食う』という単語が存在するように、
同じ味と空間を共有することは、
団体の結束力を高め、信頼関係を築く方法の一つだ。


ヴィジュアル系シーンに珍しい、
『リョヲ丞(RYO:SUKE)』によるソロプロジェクト、
『WING WORKS』(※1)のライヴメンバーである
『WING-MEN』としてギターを弾くにあたって、
光栄ながらインテツさんにご推薦頂き、
(この連載も!ありがとうございます!)
一度リョヲ丞くんと食事をすることになった。

2012年12月29日、TAKERU(※2)のサポートライヴがあった俺は、
その日の昼、リョヲ丞くんとインテツさんに最寄まで来て頂いて、
3人で蕎麦(俺は蕎麦ラブ)を食べながら、彼の「陰謀」を聞いていた。
大切な食事だった。
ファーストコンタクトで波長が合い、
こうして今一緒に音を奏でているのは、あの食事があったからこそだ。


一人の時、大抵ファーストフード、コンビニにあるもので食事を済ませる。
最近、その機会がとても少なくなった。
リハーサル後、ライヴ後、地方ツアー先での食事。
それによってメンバー、バンドの結束が固まると考えているし、
自分のギターを表現する場が増えたことで、
必然的に食事の内容も変化した。


脳というのは不思議なもので、
MASQUERADE(※3)のツアーで行った仙台と広島の牛タン&お好み焼きの味は、 今でも記憶に残っていて、
同時にその日のライヴの内容を鮮明に思い出す事が出来る。
それだけではなく、
未散(※4)さんに御馳走になったとんかつや、
亜沙(※5)くんの実家で頂いたお汁粉、等々。
これらは、味と共にその時の思い出が、記憶されている。
隼人との思い出が一番多いのは広末慧の人生において、
家族と同等、もしくはそれ以上に食事を共にした回数が多い結果とも言えるだろう。


人は、生きていくことを「飯を食う」という。
「ギターで飯を食う」とは、ギターで生計をたてることを意味する。
何よりもギターを弾いた後に信頼出来る仲間・家族と共にする、
『充実した食事』。

それが俺の人生の目標の一つになっているし、
今、沢山の人達と食事をする機会があることを、大切に考えていたい。
リョヲ丞くん、早く『ふぐ』とお母様の『カレー』を御馳走してね。



(※1)『ハイブリッド・ショック・ミュージック』を掲げる音楽家。
ライヴ、レコーディング、ミュージックビデオにギタリストとして参加中。
(※2)第18回JUNONスーパーボーイコンテストロックボーイ部門、審査員特別賞受賞。
ウルトラマンシリーズ音楽公式ユニット『voyager(ボイジャー)』のメンバー。
ライヴ&レコーディングにギタリストとして参加中。

(※3)二階堂隼人(3Peace☆Lovers)、広末慧による2人組デジタルユニット。
音楽雑誌『ARENA37℃』紙面にて、始動を発表。Zepp Tokyoで初ライヴを行う。
現在無期限活動休止中。

(※4)ヴィジュアル系レーベル、LOOP ASH代表。
未散さんから学んだ事を日々忘れないようにしています。おぱおぱ!!

(※5)埼玉県をこよなく愛する作曲家、ベーシスト。彼の全楽曲にギターで参加中。
代表作『吉原ラメント』。2013年10月16日、メジャー1stアルバムリリース予定。