【第2回】「魔がさす」日々
(更新日:2012.10.30)
WING WORKS/少女-ロリヰタ-23区のRYO:SUKEです。引き続き、12月26日にリリースの『STAR GAZER MEMORY』の制作真っ最中な日々です。
12月に出すCDを10月末にまだ作ってるというものすげーギリギリの進行ですが、それくらいの方が緊張感があって俺は好きです。
もっと言うと、12月の頭に完成予定です。本当に鬼のようなスケジュールですが実にやり甲斐があります。
前回に引き続き、今回のコラムでは役者として参加した演劇『魔がさす』について綴ろうと思います。
少女-ロリヰタ-23区の無期限活動休止の決断、そしてずっとファンだった「劇団イノコリ」の作品への参加の決意。
時期的には夏でした。
ロリヰタのツアーの準備と並行して、俺はまず劇団の「基礎稽古」というものに参加しました。
これは体力作りであったり、発声練習であったりと言った技術的な部分の練習に加えて、「エチュード」と呼ばれる役者としての内面を磨くトレーニングを受ける場所でした。
例えば「紙エチュード」と呼ばれる訓練では、まず役者が2~3人の組になってそれぞれが一枚の紙を渡されます。
その紙にはまったくランダムに書かれた台詞が一行だけ書いてあって、役者は自分の思うタイミングでその紙を開いて書かれてある言葉を発してからその後は自由に即興で物語を組み立ててゆくというもの。
言葉で言うのは簡単だけど、これがなかなか難しくて頭をフル回転させないと自分に与えられた言葉からお話が広がっていかない。
それに加えて、一緒のグループになっている役者さんがどんなタイミングでどんな言葉を発するのかも同時に探っていかなくちゃならない。
言うなれば、最強の「ムチャぶり」。
エチュードを演じている最中は観客側の役者さんやスタッフ陣が観ているのであって、ただお話のつじつま合わせをするだけじゃなくて受け取り手にとって面白いものでなくてはならない。
これってただのムチャぶりじゃなくて、その時置かれた状況に対して自分がどう行動するのか、発言するのかをものすごく考えさせられるきっかけになるし、ひいてはそれが舞台上で物語を演じる上で与えられた役をどう演じていくか考えるためののトレーニングになると教わりました。
他にも舞台上の息遣いや細かな芝居の変化やそれを演じている自分以外の役者さんの心境を敏感に察知するために、目隠しをして目の前に置かれたボールをペアになった役者さんの【気配】だけを感じてタッチされないように守るというトレーニングとか、
文章では説明が難しい様々なエチュードを与えられたことで、舞台に立つ上で精神と肉体を鍛えるってこういうことなのかなって思う訓練がたくさん出来たように感じてます。
カンのいい子はここまで読んで気づくかも知れないけど、このトレーニングって実はなにもかもがそのままバンドのステージに生かせることばかりでした。
何故この曲を演奏しているのか。この音とこの詞をこの曲順、この曲間で演奏することで何を伝えるのか。
今自分が演奏しているその瞬間瞬間のフレーズで何を伝えることが出来るのか、ライブの世界にフロアのオーディエンスを引きずり込んで引っ張っていくためには何が足りないのか。
これまでの活動では感じることが出来なかった感覚や、手探りだった部分のヒントが山のようにありました。
日中にロリヰタのリハーサルやって、ミーティングで次の課題を列挙して、そこから夜に舞台の稽古に行って得た感覚を次のリハーサルでぶつける。
ライブのセットリストや演奏そのものに対する意識が自分の中で徐々に変わっていくのがリアルに感じられる日々でした。
この時点では、「魔がさす」に参加することはまだ発表していませんでした。
まだ名前は無かったけど、WING WORKSとして音楽活動を継続していくこともこの時期には頭の中で具体的なイメージがいくつか浮かび始めていました。
けど今俺の人生にとって最大の目標は、グランドファイナルの赤坂BLITZまでファンの子を引っ張ってゆくこと。
今やっていることはすべてバンド史上最高のツアー、そして集大成にふさわしい最高のグランドファイナルになるためのレベルアップに間違いなく繋がってると俺は信じてたし、そんな日々を重ねていく中でその気持ちはマジ間違いないと思える確信に確かに変わっていきました。
あー。またしても文字数足りなすぎて次回に続く。
後何本分かかるのか自分でも見当がつきません。
まだ台本すらもらっていないし、本格的な稽古にも入っていない。言ってしまえばここまでの話はまだまだ「前フリ」みたいなもんなのに。
週一連載という熱いボリュームでやらせて頂いて本当にありがとうございます新星堂さん。ありがとうSatoくん。
ですので本日より予約の始まった『STAR GAZER MEMORY』、ぜひとも新星堂さんで予約して買おうね。
予約してくれた子全員に「メトロア」っていう暴れ曲の入ったCD-Rが特典で付きます。
この曲はライブでマストになること間違いないであろう激しい系なので、絶対に持っておいた方がいいと思います。
来週も、サービス、サービスぅ!!!(逃げちゃダメだ。)