【番外編2】Cafeの窓際から

【番外編2】Cafeの窓際から

(更新日:2013.03.14)
こんにちは。
Satoです。


いつかこのコラムでパンツを失くした(落とした)話をしました。
とってもありがたい事なのですが…それ以来、パンツをプレゼントしていただくことが増えた気がします。

な、何とダイレクトに実用的な…!

もちろんパンツに限らず、どんなプレゼントや手紙だってそう。
とにかくそこにかけてくれた時間、気持ちが本当に嬉しくて有り難いっていつも感じています。

僕も人に手紙書いたりプレゼントもするから、皆の気持ちは僕なりに共有できるつもりだしね。


で。

そんな中、パンツが不意に現れると。
正直、ちょっと「おおお!で、出た…!」って内心、なる。

皆さんがブランドや店を調べ、時に足を使い、時に苦悩し…

僕のことを考えながらパンツを選んでくれてる様子を想うと、愛おしさと感謝と照れが混ざったような…
そんな、何とも言えない気持ちになるわけ(微笑)。

このパンツを装備してるのを想像してくれたのね的な…

ドキッと感というか…

あらやだ感というか…

そう、そんな「こそばゆさ」、あるのよ。





皆さん、ありがとう。
(※もちろんパンツとパンツ以外の全てを含みます)


ということで、そんな変態発言から始まる番外編その2。
新星堂さんのご好意を受け、前回から引き続いて旅の話を綴らせてもらっちゃいます。

屋久島から船で鹿児島へ戻る自分に記憶の手を伸ばしつつ…

今回は以前よく通ってたカフェにて、キャラメルラテをお供に。
ゆるめのラウンジとお客さんの話し声をBGMに綴って参ります。



船に乗っている間、この後ノープランだった僕はモニョモニョ考える。

3日後には東京で予定があるから、恐らく次の目的地がこの旅の終着駅。
スムーズに帰還することを考えて、鹿児島からアクセス的にそれほど無理のない場所。

余談だけど、今回の旅の下調べで知ったLCC(=ローコストキャリア)のリーズナブルな航空券はやっぱり魅力的で。
アジア圏内とかも数千円で行けちゃうからね。
それを知って、関空から「台湾や韓国に朝一で行って、現地でご飯食べて、夜に帰ってくる」という…
旅の〆として「海外日帰りコース!」を一瞬、目論んだんだけど(微笑)。

パスポート忘れた!
NG!!
ガーン!!!

結果、そもそも前々から異国情緒が僕を呼んでいたじゃないのということで…

今回の終点は長崎。


鹿児島→長崎は直通の新幹線などが無く、同じ九州内とは言え、どの交通手段でも意外と時間がかかる。
僕は高速バスを選択。
色々と調べ物をしながら夜遅くに長崎到着。

街頭に照らされる「めがね橋」が出迎えてくれた。
ひとまず礼儀として…ちゃんぽん屋に駆け込んだ僕。

さて、明日。
限られた時間の中で、心に引っ掛かる場所をピックアップして回ろうと思う。

ここからはダイジェストで。



【猫の話】

長崎に到着した僕。
宿に荷物を置いて、見知らぬ土地にワクワクしながら商店街を抜け、目的のちゃんぽん屋に向かう。

その途中、小さな交差点の真ん中にある何かが気になって足を止めた。

車に轢かれた後の、横たわってる猫だった。
すごく苦しそうな表情のまま、動かなくなってた。

車や通行人は接近してからその存在に気付き、慌てて避けていく。

正直、最初は僕もそのまま通り過ぎようとした。
でもさっきまでのワクワクはすっかり消え失せ、何とも言えないやるせなさに心が支配されていた。
せっかく長崎に着いた途端コレかよ〓0!みたいなね。

で、僕は猫のところに引き返した。
このフツフツと湧いてくる感情に何かしらの決着を付けないことには、このあと楽しむ事なんて考えられなかった。

とりあえず…もう夜更けだったから保健所ではなく警察に電話。
状況を話して、現場に来てもらう事に。


警察が来るのを待っている間。

猫に気付いた通行人の様々なリアクションを眺めながら、
結局、自分は見て見ぬ振りで通り過ぎるような酷いヤツと思われたくないだけの偽善者なんじゃないか。

通る車に猫の存在を知らせて避けるように誘導しながら、
単に、轢かれるところをもうこれ以上自分が見たくないっていう僕のごく個人的な理由でしかないよな。

…なんて、後ろ向きなことを考えたりもして。

程なくして警察が到着。
警察は僕に「ありがとうございます」と言った。
警察にあとを任せて、僕はその場を離れた。

やるせなさやモヤモヤした感情は、一応の解決をみた。


次の日、出島ワーフのテラス席でトルコライスを食べていると、猫がやってきて1mくらいの距離でずっと僕を見ていた(トルコライス狙い?微笑)。
食事を済ませた後もずっと近くにいるから、触れ合って遊んだ。

長崎の夜を満喫したその日の帰り道、自動販売機の下からずっとこっちを見てる猫がいた。
近付いていっても逃げないから、僕も座り込んでしばし無言の会話を交わした。

長崎、猫に縁があったなぁ。
ひとり旅だったからこう感じたのかも。

僕は犬派ではあるけど、やっぱり猫も好きだ。
まぁ、猫アレルギーだけどね(微笑)。



【知って理解していくということ】

原爆の落下地点付近を散策してから、記念公園と資料館に向かった。

原爆の仕組み、その威力や規模、その前後の日本と世界の歴史…
知っていたつもりだったけど実は知らなかったことにたくさん出会った。

日本人だけでなく、たくさんの外国人も被害に遭ったということ。

落下中心地で見られる「当時の地層」を見た時の、思わず気が遠くなってしまうような感覚。

心はすごく反応したのだけど、人に伝えようと思う言葉は降りてこない。
簡単に言葉にできるものじゃないんだな。

原爆、戦争、平和。
これからもっと世界を、日本を、自分自身を知っていく中で、単なる良い悪い正解不正解じゃなく、自分がいち日本人として、自分なりの想いを胸に秘めるその日まで。



【そういえばハウステンボスの話】

旅に出る前のコラムでも触れたけど、行こうと思ってた北九州の観光名所「ハウステンボス」。
というのも、前々から旅を兼ねながら自分自身が被写体の写真も撮る機会が欲しいなって思っていて。
ここが海外のテーマパークっぽいリゾート地って聞いてから気になっていたのです。

まぁ調べるうちにちょっと優雅すぎるかな~綺麗すぎるかな~というか… 今、僕が求めているのはイギリスのロンドンに代表されるような陰がある感じで。
そりゃ~ココ、オランダだもんね!的なね(微笑)。
また何人かで長崎に来る機会があったりとか、もっとライトに楽しみたい時にハウステンボスを訪れようと思う。

で、その結果、やっぱり近い将来イギリスに撮りに行くぞ!と決断するに至ったわけ。

今思えば、何で最初から「国内でそれなりに海外っぽく撮れるところを…」って制限をかけちゃってたのか。
方法、時間、おカネ、人…
今の自分にはクリアできなさそうな、色んな「壁」が見えたからかな。
でも本当は、撮りたいと思った場所で撮るのがいいに決まってる。

まず、そこで撮りたい!って気持ちを自分が自分に許す。
どんな様子で撮影しているかをイメージする。
すると、色んな「壁」をクリアできる方法、クリアする瞬間の感覚が浮かび上がる。

…脱線した。

というわけでイギリスロケの旅、coming soon…!?



【THE GUNKAN-JIMA】

※この話はマニアックかつ、ちょっと熱くなります。


屋久島と同時期にその存在を知った、軍艦島。

この島のビジュアルや歴史に、完全に男の血が騒いだ僕。
軍艦島のために長崎に来たと言っても過言ではない!

詳しい情報はWikipediaなりを見てくれたらいくらでもわかると思うのだけど、簡単に説明。

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軍艦島(正式名称:端島)

長崎県長崎市にある島で、かつて海底炭坑によって栄える。
南北が約480m、東西が約160m、面積約6.3ha、周囲約1.2kmという小さな島。
その中に日本初の鉄筋コンクリート集合住宅、映画館、プール、ダンスホール、神社、病院、学校、銭湯、公園までもが密集。炭坑マンとその家族が生活した。
1960年のピーク時は世界一の人口密度(東京の9~10倍)に到達。
以後、利用されるエネルギーが石炭から石油に移り変わり衰退。
炭坑閉山と共に島民が島を離れ、現在は無人島となっている。

…で、この軍艦島を見学できるクルーズに参加したわけ。

波が強いと上陸できない場合もあるらしいけど、ほぼ無風で無事上陸。
ガイドさんに説明を受けながら、限られた見学ポイントを順繰り回る。


この島の建物は当時のそのまんま。
そんな中、無人島になってから一つだけ建て足した建造物。
灯台。
まだ人が住み石炭を掘り出していた頃、夜であろうとこの島は眠る事なく常に稼働しており、島全体が常に明るかった。
その様子はまさに、運行中の軍艦のように見えたそうな。
だから、当時この島には灯台など必要なかったんだね。

無人島となって以降、多くの建造物が老朽化、崩壊の一途を辿っている。
軍艦島の建物には全て番号がついているのだけど、その中で番号「1」は端島神社。
その拝殿などは既に崩壊してしまっていたけど、本殿の祠だけが綺麗に残っていたよ。



上陸の際に確認できたけど、防波堤の一部も崩壊していた。
これは、ちょうど僕が屋久島で出会った台風がこの近辺を通過した影響らしい。
レンガ造りの壁についてる「白」。
これは元々この色なのではなく、防波堤の崩落部から高波を浴び続け、その「塩」が付着しての現状だそうな。



今現在も崩壊寸前の建造物があったり、軍艦島の様子は刻一刻と変わり続けているわけで。
ガイドさんが言った「今の軍艦島は今しかない、だからカメラよりもご自分の目に焼き付けて帰って欲しい」って言葉が沁みたなぁ…。

他にも、
マンションの部屋と部屋の間をどデカいベルトコンベアが通っていて、24時間ずっと石炭が通り続けてた…とか。
今もこの島を故郷と思っている人が日本中にいらっしゃる…とか。

色んなエピソードがあったんだけどね。


僕が一番、印象に残っているのは「第二竪坑桟橋」のこと。

「竪坑」とは、実際に海底炭坑に降りるための入り口の部分。
「桟橋」とは、そこに渡る階段状の部分。
炭坑マンはその桟橋を渡り、竪坑から簡易なエレベーターのようなモノで地中深くへと降りる。
まずこのエレベーターというのが天井も壁もなく、床だけの簡易的な超高速エレベーター的なもので、新人炭坑マンは下に到着する前に失神する("落ちる"って感覚だそうな)。
で、その到着地から何キロも歩いたところがようやく、海底炭坑の入り口となる。
炭坑の中はガスが発生して爆発が起きたり、常に死と隣り合わせの環境。
その分、炭坑マンは給料が良く待遇が良かったため、多くの男が家族を養うために軍艦島で働いた。
そんな男達が「もうこの道を戻って来れないかも知れない」と死を覚悟しながら渡った、第二竪坑桟橋。

この桟橋の表面は、無事生還した男達の靴に付着した石炭で真っ黒になっている。
竪坑の奥底には、桟橋を再び渡ること叶わずに海底炭坑で亡くなった男達の亡骸が今も眠っている。



うむむ。
前回の屋久島も同じで、旅をしててココロが動いた場面の話って「あ~!やっぱり皆にもこれを生で体験してもらわないと伝えきれない!」って思う。

興味ある方は是非。
きっと僕が行った時とはまた島の状態も違うだろうし、皆それぞれ違う印象を持つんだろうなぁ…。

いつか、聞いてみたい。

(※ちなみに僕は、黒い船のクルーズを使ったよ。)



【ひとり旅、最後の夜】

軍艦島クルーズを終え、トルコライスを喰らい。
いよいよこの旅、最後の夜!

まず稲佐山へ。

屋久島での「ひとり焼肉」に続く…
「ひとり世界三大夜景」!!

からの!
「ひとり居酒屋」!!
旅の打ち上げってことで色々思い返しながら、ひとり静かに盛り上がる。

居酒屋を出たところで、リュックに入れてあった飲み物を取り出す僕。
店先で缶を開けると…

ブッシャーーーーー!!!!
と、まさかの「ひとり噴水」。
(※炭酸飲料だった)

…「ひとり苦笑い」。

同じタイミングで居酒屋から出て来てた野郎4人、いきなりのひとり噴水事件にビックリしてこっちを見ている。

僕「…あはははは~…」

野郎達「……だ、大丈夫すか…?」

僕「あはははは~…」

野郎達「っていうか、一人ですか…?」

(※中略)

僕「へ~!それは聞いた事なかったよ!」

野郎達「いや~ここ行かないと長崎来た事にならないすよ!」

僕「え!まじ!?」

野郎達「じゃあ今から一緒に行きましょう!」

…かくして僕は長崎野郎4人のチームと合流。
お互いの話を交えながら、朝まで呑んで食い続けるという展開に!

彼らは社会人サッカーチームのチームメイト同士で、よく一緒に飲んでるみたい。
居酒屋でひとり飲んでる僕を見て皆で珍しがってたらしく(微笑)、快く仲間に入れてくれたのでした。

皆ホロ酔いでフラフラ散歩。

「めがね橋の"鼻"」に小銭を投げ入れて。
川の堤防に隠されたハートの石を探して。
「またいつか会おう」とお別れ。

旅の最後に待っていた「予定外」。

悪くないでしょ?

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…というわけで今回の旅の話はこれにてお終い!
いかがでしたでしょうか。

初めての長崎。

こう書き上げてみるとシリアスなシーンが多かった感じするけど、自分の心の奥深くにアクセスするような場面がたくさんあったなぁって。
長崎を選んでホント良かったよ。

ちなみに屋久島編と同様、Facebookページ「 Satos Cafe Bar 」に長崎での画像をたくさんアップしているので、このコラムと併せて見てみて下さいな。


さて、次はどこへ行こう。

2012年の夏、軽井沢や嬬恋にフラリと出掛けた前回は、自分と対話する透明な旅だった。

2012年の秋、京都から彦根、屋久島、長崎、軍艦島を訪れた今回は、各地で色んな人や文化と出会うエキサイティングな旅だった。

2013年の春、僕は新しい地図を広げ、また旅を始めようと思う。
このコラムを読んでくれていた貴方と、旅の途中で再会できることを楽しみにしています。

改めて読者の皆さん、新星堂の千葉さん、ありがとうございました。

ではでは、また近いうちに。
Satoでした。愛と感謝を込めて。